~約束~

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私が俊ちゃんの頭を撫でた瞬間、我にかえった俊ちゃん。 即座に私から離れた。 職員室案内してもらった時にした、香水の香りが微かにした。 「…あ、あの」 「何の用だ……」 低く、冷たい声が私の耳に入る。 その声に私は少し殺気を感じた。 「えっと…」 まただ…。言葉が出てこない。 どうして…どうして? 「てか、なんでお前がここに居るんだよ…」 俯いている私に俊ちゃんは冷たい声で言った。 その理由は…私の喉まで来てるのに─…。 俊ちゃんのキレイな金髪の髪の毛が、微かな風で揺れる。 「…………」 何も言わない私に呆れたのか、俊ちゃんは立ち上がってドアの方向へと歩き出した。 私は声にならない声を上げる。  
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