~約束~

9/12
前へ
/447ページ
次へ
一瞬、変な感覚に襲われた。 目の前の物が、止まったような感覚が…。 知らない…? ってゆうことは…約束も覚えてない…? 自分の涙腺が歪むのがわかる。 「俊……ちゃん…」 聞えるか聞こえないくらいの細い声で俊ちゃんの名前を呼ぶ。 私の声が聞えたのか俊ちゃんは冷たい瞳で私を見て言い放った。 「その呼び方やめてくんない?まじうざいんだけど」 ──っと。 その冷たい言葉に、押さえきれなかった涙が私の瞳からこぼれ落ちた。 やっぱり…今の俊ちゃんは昔の俊ちゃんじゃないの…? たったの10年で変わってしまったの? この10年間の間で何が俊ちゃんを変えてしまったの─…? 考えれば考えるほど、私の瞳から涙がこぼれ落ちる。  
/447ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18953人が本棚に入れています
本棚に追加