~体育祭~

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こんな悲しい思いをしなきゃいけないなら、引っ越しなんて…しなきゃよかったのに…。 醜い私…。俊ちゃんに彼女が居たら、絶えきれない。 彼女に…何か、してしまうかもしれない……。 こんなことを考えてる自分が嫌だ。 ……よし!大丈夫大丈夫。 呪文のように自分に言い聞かし、洗面所を出る。 「ありがとう。取れたよ」 満面の笑顔のつもりで俊ちゃんに言った。 本当は息が整わないくらい不安。だけど…聞く勇気は私にはない…。 「……靴下」 「へ!?」 俊ちゃんがコーラをテーブルに置き、目線を私の靴下を見ながら言ってきた。 あぁ…。靴下も泥だらけだったこと、忘れてた。 いくらここに居たいからって、靴下をここで洗うのは抵抗がある。  
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