はじまり

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「やっと…やっと出来た…」 私を見つめながら泣いている 私は、今日うまれた 人形職人のこの人の手によって 美しく透き通る碧い瞳 陶磁器のような白い肌 溜息が漏れそうな豪華なドレス 鏡に映し出された私は とても美しい だから、優しくニッコリ笑う 「もうじき、お前の新しいご主人様が迎えに来るよ」 そう言いながら 栗色の髪を丁寧にとかし 綺麗な箱に入れられた こうして私は、最初の ご主人様に買われていった
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