一人目のご主人様

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「アンナ…許しておくれ…パパはお友達を信じたばかりに……会社を無くしてしまったんだ…」 アンナにはよくわからなかったみたいだったけど、私には理解出来たの 優しいパパは友達を信用して借金の保証人になっていたみたい でも、友達に裏切られ、多額の借金が出来てしまったの アンナと暮らしたこの家も、パパの会社も全て借金の為に手放す事になってしまった 「アンナ…今はお金が 必要なんだ…わかるね?」 アンナは可愛い首を 傾げながら、話を聞いていた 「人形を……売るから 渡しなさい」 この言葉で漸くアンナは、少しだけ理解出来たみたいだったわ 「いやっ!絶対いやっ!」 アンナは、私を抱きしめながら泣いたわ 「アンナ…わかっておくれ…その人形を売れば、暫くは飢えをしのげるをだよ…パパはママやアンナに、ひもじい思いはさせたくはないんだ…」 辛そうなパパの顔… 悲しそうなママの顔… 泣きじゃくるアンナの顔… 私の碧い瞳にしっかりと焼き付いたわ
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