一人目のご主人様

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アンナは泣きながら 最後に私の髪を優しく 撫でながら言ったの 「必ずまた一緒に暮らそうね」 私の頬に優しく悲しい アンナの涙が零れ、 私も初めて涙を流したわ 「次に会う時まで、もう泣かない…必ず、必ずまた一緒に…約束よ」 私の小さな手を握り、 指切りをしたの だから、私もアンナと 再び逢うまでは 泣かないと決めたの 最後にしてくれたキスは 、ミルクの香りはしなかった だって…ミルクすら 飲めない程、生活は 追い詰められていたから 私を売って、アンナが ミルクを飲めるなら 喜んで売られるわ だって、私達は約束したもの… 必ずまた逢うと言う約束を… そして、私はまた暗い箱に入れられたの アンナはいつまでも 泣いていた 我慢しながら 泣いていた さようならアンナ… 私はいつまでも待ってるから… 優しいキスをありがとう 温かい涙をありがとう
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