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別に目的なんか無い。
金持ちになりたいとか
スカウトされたいとか
スタアになりたいとか
特に野望もない。
ただ、東京に来た。
本当にそれだけ。
俺の地元はド田舎だから、非現実的な世界に勝手に気持ちと足が向かったのしれない。
俺の単純な脳細胞は悩む事なく『都会=東京』の方程式を導きだした。
それにしても東京人は歩くスピードが速いってのは聞いた事あるが、こんなにも速いなんて…
普通に歩いてるはずの俺はここでは遅い部類に入り、なぜか己が恥ずかしく思えてきた。
俺はこんな24時間は絶対に過ごしたくない。
東京人を観察しながらブラブラ歩いてたら、女に声を掛けられた。
東京人独特なんだろうか?
軽いノリでどんどん話してくる。
見た目は良く言えば雑誌に載ってそうな、悪く言えば在り来たりなギャル。
“マスカラ命”と言わんばかりに目の周りは黒く、小麦色の肌に合わせたかのような茶髪にはメッシュが入っている。
オマケに目にはブルーのカラーコンタクトが入っていて、目を見て話すと時折吸い込まれそうな錯覚に陥る。
声はリズムに乗ってるように弾んでいて、音符記号が頭に浮かぶ。
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