ホッカイロ

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「風邪引くから、早く保健室行きなさい」 「はい」  こくりとうなずく様子が少し可愛い。 「メガネは?」 「ポケット」 「前見える?」 「見えない」  私は仕方ないと笑い、加賀の腕を肩にまわした。 「連れて行ってあげる」  よたよた、加賀が立ち上がる。体重がかけられ、なんだか歩きにくい。でもさっきよりは楽。自分で歩いているからかな。 ――息があつい。  なんか顔近くない? 「あんた背低い?」 「……何で」 「顔が近いから」  加賀の視線を感じる。 「悪い」  少し体が離れた。 「あ、嫌とか気持ち悪いとかいうわけじゃなくて。ただ思っただけ」
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