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「もしもし?着いた。入り口に寄せようかと思ったけどその手の商売の送迎みたいだから、交差点まで出てきてくれる?」
「わかった。すぐ行く。」千秋からの電話を切ると、
「宿泊の予定だったんですけど、今から出ます。」とフロントにかけている声が聞こえてきた。
「ごめんね。」また謝ってしまう。
「いいんだ。」彼は私の肩を抱いて、部屋を出る。
通りに出て歩いていると、千秋の車が見えてきた。
「もうここでいいわ。」
「俺も君の友達に会っていくよ。」
「え?」
「協力してくれないかな、と思って。」
「無理よ、アキハルのことも知ってるのよ?」足は止まっていないので車にどんどん近づいてしまう。
「言ってみないとわからないだろう。」自分の思い通りにならないことはないと思っている顔つきで笑う。
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