†第一章†

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  そんなラルカに想いを馳せだしたのはいつの頃からだろうか。       自分の意志をさして持たなかった俺は、小さい頃のラルカの行為が理解できなかった。       長い時間一緒に居ると彼女の芯を持った考え方に凄く惹かれている自分がいた。       彼女が言うとおり、人間と分かち合える日が来るのではないかとも思えた。       しかし、現実はそこまで甘くはない。 元から流されて生きてきた俺が、今更独立した意志を持つのは難しかった。       ラルカが孤立していく中、俺は彼女の手助けをする事が出来なかった。 そんな俺が彼女に想いを馳せてる事実が辛くて嫌だった。 俺に出来ることはないかと考えた。         考えたが、俺は側にいるしか出来ないと分かった。       側にいることしか出来ないのなら、これから先はラルカと同じ道を歩もう。 昔は出来なかったけど、今なら出来るのではないか…出来るようになれるのではないだろうか。 この気持ちは彼女が俺に教えてくれたもの。 俺は彼女を想うなら変わっていかなくてはいけない。 これから先は、彼女につくして返そうと思った。  
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