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ビルの上。
一人の少女と一人の少年。
「あーぁ。詰まんないの。」
呟く声は透き通る空に溶けていく。
少女は小さく欠伸をした。
いつものように廃ビルの屋上の手すりにもたれかかり遠くを眺める。
遥か向こうにかすんで見える建物。
「ねぇ、キリュウ。いつかあそこに行けるかなぁ?」
少女は隣にいる少年に話し掛けた。
「行ってどうするんだよ?あそこは野蛮な奴らがウロウロしてる物騒な場所だよ。」
キリュウと呼ばれた少年は興味なさげに答えた。
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