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「そーゆうのを偏見って言うんだよ。」
少女の少しムッとした声に視線を向ける。
「じゃぁ、お前の目にはアイツ等がどううつってるんだ?」
「私には……。」
少女の顔にさっと影が差す。
「……ラルカ。俺らとアイツ等は違うんだよ……。」
キリュウは柵にもたれ掛かり空を眺めた。
変わらず流れる白い雲。
時折きこえる鳥のさえずり。
この時が変わらず、死ぬまで続くと思っていた訳じゃない。
只……日々繰り返すこの時が、余りにも長くてそう感じてしまっただけ。
願っても変えられない事。
願っても変えられてしまう事。
――金の瞳に獣の耳――
これだけは変える事が出来ない真実なんだろうなぁ。
少年は静かに空を仰いだ。
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