†第一章†

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3094年~冷戦状態から15年~ キリュウは、ラルカが居なくなった屋上で未だ一人空を眺めていた。 大人達から聞かされる自分達の歴史。 人間は欲張りで醜く残忍な生き物。 こういう状態も、仕方がないことであるとは思う。 皆が憎しみの火を絶やさない中、ラルカは違った。 ラルカは幼なじみだ。 小さい頃から一緒に居て、同じ時を過ごしてきた。 ラルカはいつも言っていた。 どうして大人達は成長をしないのかと。 たった十数年の月日しか流れていない。 その時生きていた大人たちが受けた傷跡は大きく、簡単に塞がるものではないことは分かる。 だけど、その月日の流れの中で新しい命が生まれ、新しい世代が形成されている。 憎しみばかりでは次世代の私達は大きくなれない。 大人達は大切な事を忘れてしまっている。 ラルカはこの世の中を変えようとまずは皆に呼び掛けて回った。 一生懸命に大人達に呼び掛けた。 .
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