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エリザベス
「はぁ…アルバート…子供をっ…魔…力がっ……」
アルバート
「分かった!調節するっ!だからっ…だからっ……」
アルバートは必死に涙をこらえ言葉を探していた。
エリザベス
「アルバート…」
かほそい声でエリザベスはアルバートを呼び最後の力を振り絞って手を差し出した。
アルバート
「エリザベスっ!!」
アルバートはその手をとり握りしめ泣いた。
エリザベス
「はぁ…大丈夫よ…私達の子供は…?」
アルバート
「あぁ 大丈夫 ここにいる。魔力も調節したよ。」
と出来るだけ優しく語りかけた。
エリザベス
「抱きたいわ…」
アルバート
「あぁっ」
アルバートは必死に涙をこらえ産まれたばかりの自分の子を抱きエリザベスに渡した。
正直エリザベスの手を離したくなかったが子供を愛しそうに微笑む妻を見て自分も微笑んだ。
もしかしたら最初で最後になるかもしれないこの時を、愛しそうに見ていた。
アルバートはもう一度エリザベスの手を握りしめ泣いた。
エリザベス
「名前を、決めないといけないわね…女の子だから可愛い名前がいいわ…」
アルバート
「そうだな。エリザベスが決めるといい。」
エリザベス
「えぇ…この子の名前は…‥‥・‥…よ」
アルバート
「エリザベス?エリザベス?!」
名前を告げ微笑んだ後エリザベスはもう二度と開くことのない瞳を閉じた。
だがその腕の中では産まれたばかりの我が子を大切そうに抱いていた。
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