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そして夜が訪れた。みんな寝ている中、私は下を覗いてみた。
「・・・・・・・・・・・・・・っ」
怖すぎる。ありえない。はぁ、どうすればいいのだろう?
絶望した私は空を仰ぎ見た。
「くすくすっ」
・・・・・・・・・月が、笑っていた。
「やぁ坊や、ずいぶんと悩んでいるようだね」
やたらと高くて聞き取りづらい声だ。
「・・・・・・・・聞いても笑ったりしないか?」
「保障はしないが、笑わないでほしいならがんばろう」
このときになぜ悩みを打ち明ける気になったのか、それはきっと月のこのふざけたような態度に少なからず私が飲み込まれていたからなのだろう。
兄弟や母にも、とにかく誰にも言わなかったことを私は簡単に口にするのだった。
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