『キス』
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物音がして、世界が広がる。 他人の存在。 鈴が目深に帽子をかぶりなおして、この世界は終わりを迎える。 お姫さまなのに。隠れなきゃならないなんて。 鈴を隠れなきゃならないお姫さまにしたのは何なのか。誰なのか。 鈴の頬を染めるのも、帽子をかぶりなおさせるのも。 すべてはわたしのせいなんだ。 忘れてきたはずの心の痛みが、また追いかけてきた。
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