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月曜日。
治らないと思った病気は、治っていて、
ベッドから出るのも朝ごはんを食べることも、普通に出来た。
「調子良くなったみたいね。病院はどうする?」
本当に治ったのかな。
あんなにだるかったのに。
どうして簡単に治ってしまうんだろう。
「ヘーキ。行かない」
ママがほっとした表情を見せたのもつかの間、
玄関のチャイムの音に顔をしかめた。
「あなたは大事な受験を控えてるんだから、あんまり遊んでちゃだめじゃない」
「遊んでないよ。一緒に学校行くだけだよ」
「そうだったとしても、朝から気が緩むでしょ。」
「緩まないよ。学校行くんだし」
「そうかしら・・・。なんだかママ、心配なのよね。最近急にまた、仲良くなった感じだし・・・
小学生のころは幼馴染みと思って多めに見てきたけど、
もう中学生なんだし、お互い・・・」
ママの話が長いのは、いつものこと。
とは言え、ずっと聞いていられるほどに私の感覚は慣れたりはしない。
「ごちそうさま!遅刻するから行くね!」
「そろそろ年頃なんだし、お付き合いする友達は、ちゃんと考えるのよ!」
「ママが心配するようなことは何もないって!じゃぁ、行ってきまーす!」
キッチンのママに背中越しに適当な返事をして、玄関の扉を開けた。
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