315人が本棚に入れています
本棚に追加
この角を曲がったら鈴がいたらいいのに。
毎朝毎朝、いつもいつも思う願い事を、今日も同じように思いながら歩く。
急なクラス替えで1組の鈴と同じクラスになれるとか、
鈴が隣に越して来ればいい。とか、
そんな叶いそうもないことは願ったりしない。
ただ、偶然。
鈴の登校時間と重なって、
出来れば彼氏とさよならした後で、
1人きりの鈴に出くわせたらいいな。
そんな現実的なことを少しだけ願う。
そうして角を曲がって、正門を見上げたら、鈴がいた。
あんまり考えていたから幻かと思った。
それでも、幻でもいいから、私は鈴に駆けていった。
願えば願っただけ、
思えば思っただけ、
幻影でもいいから見せてくれるなら神様も捨てたもんじゃない
。
最初のコメントを投稿しよう!