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「そうなの?私ってこのレベルなの??」
と風令は本気で焦りながら周りの反応を伺う。
残念ながら反応は風令が期待していたものではなく、槐の考えを肯定しているもので。
風令は項垂れ、それでも槐に有難うとお礼を言って本を受け取った。
食事も粗方片付き、槐は箱に入っていたケーキを切り分ける。
「今年はチョコケーキかぁ♪」
風令は嬉しそうに言い、既に片手にフォークを構えている。
槐はそんな風令に呆れた微笑みを浮かべながら、ケーキをそれぞれの皿に置いていった。
表面はビターチョコレートで包まていて、中のスポンジケーキもチョコ色。
クリームだけが白で、より一層それが際立っていた。
上の方は赤い苺、生クリームが綺麗にデコレーションされている。
赤や白の上にふるわれているココアパウダーが甘過ぎない印象を与えていた。
勿論、クリスマスケーキには必須の小さなリースのオーナメントも派手過ぎずケーキの上に飾られている。
「ケーキはまだまだありますからね。」
切り分け終え、一斉にケーキをつつく。
─────と言いたいところだが、
風令がフライング気味だった。
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