降誕祭

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まだ外は明るいが、街頭に飾られているサンタクロースやトナカイのイルミネーション、ツリーの数々が更にそれに拍車を掛けていた。 槐は今日の為に前日から料理の下拵(シタゴシラ)え等々の準備をしていた。 勿論クリスマスは家で過ごすので、必然的に風令たちとも過ごすことになるのだが。 赤、緑、金色、きらびやかで華やかなショーウィンドウ。 その中には色とりどりのリボンが掛けられたプレゼントの箱がある。 外から見れば、飾られたショーウィンドウそのものが、プレゼントの箱のように感じた。 「クス‥今年のクリスマスは良い日になりそうです。」 槐は微笑んで言った。 横顔には純白の雪が舞い散り、薄紅に色付いた槐の頬を引き立てる。 「ホワイトクリスマスだしね。」 泪も笑い、繋いだ手に力を込める。 繋いでいない方の手にはそれぞれにビニール袋と薄いブルーの紙袋。 二人はクリスマスディナーに足りない食材と、クリスマスのメインであるケーキを買いに来ていたのだ。 その用事も無事に済み、後は屋敷に帰るだけ。 どんな一日になるのか、槐も泪も、楽しみに今日を待っていたのだ。
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