81人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕はウィンタースポーツが出来る所が良いな。スキーとか。」
ぽつりと呟いた泪。
泪の視線の先は、全く別のチラシが。
近くにスキー場がオープンしたらしく、スポーツショップからのチラシが沢山入っていたらしい。
「ルイくんはスキーかぁ‥。ねぇ、ルイくん。スキーよりも夜景の方が一緒に楽しめると思わない?」
「え!?ぅ、うーん‥‥」
突然風令に同意を求められ、泪はあたふたと考え込む。
雷は笑って風令をたしなめた。
「風令、せっかくの旅行なんだから好きな方が良いよ。」
「えぇっ!?雷さんまでそう言うの?」
絶対夜景の方が雰囲気出るのに‥‥と溢す風令。
味方についてもらおうと、風令は槐をチラリと見遣った。
うるうるとした瞳に見詰められて、槐は一言。
「そもそも風令たちが旅行に行くのって無理じゃないですか?」
今更だが、この質問。
確かに、足が透けている風令と雷は基本的に外出は無理だ。
昼間に外に出れば尚更。
マントを羽織っていても、足元まであるような長いものでは不自然に映る。
よって、何故この二人が旅行の話をしているのかが理解出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!