降誕祭

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数瞬固まった後、風令が口を開いた。 「私達が行けないのは分かってるわよー。でも年末から年明けにかけて旅行するのって楽しそうじゃない?」 「はぁ‥」 そういうものなんですか? 「だから、」 にんまりと笑ったその表情に、槐は背筋をゾクリとさせる。 「エンジュたちに行ってきてもらいまーすっ!!」 「はっ!?何故そういう話になるんですか?」 突拍子も無い話に、槐は軽く焦りながらも言った。 「だってクリスマスは仕方無いけど、年末年始はお互い二人っきりになれた方が良いでしょ~?」 ふふふっ、と風令は笑ってカタログの続きのページを捲る。 「それってただ単に風令たちが二人っきりになりたいってことなんじゃ‥‥」 と言いかけた槐の言葉を遮って、風令はまた笑う。 「エンジュ? 旅行、行 っ て く れ る よ ね ?」 「‥‥ハイ。是非とも。」 風令の黒い笑いに負け、頷いてしまった自分に、槐は少しめげそうになっていた。
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