プロローグ

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時間が経つのは早いと最近思う……あっという間だ、夏休みなんて……。 そんなことを俺、城上恭輔は思った。 「恭君、そこは助動詞を使わないと」 隣にいる秋澤綾乃は熱心に俺の手元を見つめていた。 8月31日、計7時間を宿題殲滅に掛けているが全くだ。 なんでこんなに神様は意地悪なのでしょう? 「もうお昼だね、ご飯作るからちゃーんと宿題やるんだよ」 「もちろんであります!」 いつもより厳しい綾乃さん。 これ以上手間掛けさせまいと手を限界を超えた速度で動かす。 頭がついていけないのは言うまでもない。 「英語終わりぃっ!(解答率70%未満)」 「わぁ、ペース上がってきたね♪」 我が身のように嬉しがる綾乃。やる気出させてくれるじゃないですか。 俺のやる気がy=3Xになった。 ……何だそりゃ。3時間前の数学が相当きいたらしいな。 「さて、キリもいいしお昼ご飯にしよう?」 ハヤシライスの皿を運ぶ綾乃。作るのホントに早いね、チートかなんか使った? 超絶的に早くて絶品なハヤシライスを美味しくいただき、再び殲滅戦の続きを始めた。
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