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「な、何しやがんだ!!」 飛ばされた仲間を見て、不良達が騒いだ。 「るせぇ、オメェ達がお雪ちゃんにちょっかい出すのが悪いんだ」 男は不良達の声をうるさそうに、耳を弄った。 「ここはみんなが団子食って休む場所だ、オメェらみたいな馬鹿どもが来るとこじゃねぇ」 「んだとぉ…!?」 数人の不良が男に殴りかかってきた。 しかし、男はそれをひょいと交わし、変わりに足を引っ掛ける。 不良達は雪崩のように倒れ込み、その場にあった長椅子に衝突した。 お茶や団子の皿が中を舞い、不良達の上に落ちる。 「あー…ここで喧嘩しちまうと駄目だな。よし、外出ろ外」 男は顎で外の方を指す。 不良達は歯をギリリと食いしばり、外へ踊り出た。 「上等だゴラァ!!俺達に喧嘩売ったこと後悔させてやるぜ!!」 「威勢のいいこったな」 男はニッと笑い、不良達の前に立った。 道行く人は何事かと立ち止まる。 野次馬が集まりだし、道端はどんどん賑やかになっていった。 「オラァ!!」 一人の不良が拳を男の顔目掛けて飛ばした。 男は避けること無く、それを顔に受け止め、ぐらりと揺らいだ。 「…ッ!」 顔面に受けた衝撃に、僅かに呻く。 しかし、直ぐさま顔を上げニッと笑った。 「いいねぇ、やっぱ喧嘩は……」 男はグゥッと拳を握り締めた。 そして殴りかかってきた不良を見て、 「こうでなくっちゃなぁ!!」 男の拳が不良の腹にのめり込む。 まるでボールが跳ねる如く、不良は仲間達の方へ飛ばされた。
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