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「…そうか」 倉昌は桃四郎の横顔を見て、「すまない」とだけ呟いた。 「いや、別に気にしちゃいねぇよ」 桃四郎はいつも通りの陽気な笑顔に戻り、団子を一つ食べた。 「…あ、そうだオッサン」 ふと、団子を食べいた桃四郎が思い出したかのように声をあげた。 「なぁ、豺狼組って知ってるか?」 「豺狼組…だと?」 「ああ、さっきの不良達が言ってたんだ 俺達『豺狼組』に喧嘩売ったこと…覚えてろ!! てな」 そこまで言うと、倉昌がいきなり立ち上がった。 「豺狼組って…あの豺狼組か!!」 「な、何だよいきなり」 倉昌の剣幕に、桃四郎はたじろぐ。 「その豺狼組って、何なんだ?どこの農業組合?」 「馬鹿かお前は!!農業組合な訳ないだろう、豺狼組は今俺達が追ってるヤクザどもだ!!」 「や、やくざ……!?」 桃四郎はヒッと顔を引き攣らせた。 「豺狼組…お前、とんでもねぇのを敵にしちまったな……」 「えっ、ちょ、マジで?それマジで言ってんの?ヤクザだなんて嘘でしょ?ただの不良の集まりみたいなのじゃないの?」 「そんなあまっちょろいもんじゃねぇ…あいつらは平気で人を殺してやがる」 倉昌の深刻そうな顔を見ていた桃四郎は生唾を飲み込んだ。
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