封印

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『テルル……覚悟は出来ているだろうか。ああ、可哀相な運命の子よ』 真っ白な世界。 「神様、やるなら早くやればいい」 通常―天界―と呼ばれる、未知なる場所に彼はいた。 神様、そうよばれた男の背中には鳥のような立派な翼がある。 この世界のように、大きく白いそれは、テルルと呼ばれた少年にもあった。 「早くしないと、全滅……だよ?」 テルルは諦めたように笑いながら言った。 『ああ、テルル。本当にすまない、すまない……』 「ねえ神様…これはもう、しょうがないことだよ。讒言はいいから……早く、俺が逃げないうちに」
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