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10月、奈央は今年一番のおめかしをした姿でスーツの一志が運転する車に乗って、静かにデジカメの画像を見る。結婚式の帰り。 「今年の目標達成出来たの圭輔だけだね。佳乃は寿退社だし。」 「まだ2ヶ月あるでしょ。」 「2ヶ月で結婚の話まとまるわけないじゃん?!」 「俺じゃなくて。彼氏。作るんでしょ。」 「あー。ダメ。好きな人出来る気がしない。」 「枯れてるね~。リバウンドしたでしょ?」 「うん。3キロ。」 奈央は答えながらも一志の脇腹を指で刺す。 「やめっ危ねぇ。」 「ねぇ、今日帰って来ちゃったら正月帰って来ないの?」 「あー。交通費イタいからなぁ。」 「えー。帰って来てよ。4人で飲みたいじゃん。」 「そうだねぇ。」 「あ。コンビニ寄って。」 「了解。」 「一志どれ飲む?」 「俺?」 「部屋に食べ物も無いんだよね。何食べたい?」 「…あー。」 この後奈央の部屋で飲む約束はしていなかったが、一志は理解してわざわざ聞かない。 「圭輔と佳乃の結婚を祝して~乾杯。」 奈央と一志はそれぞれお風呂を終えて、一応乾杯する。 「なんか、結構もう飲んでる?」 奈央は一志がお風呂に入っている間にシソ焼酎をビン半分空けていた。
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