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「おかえりー。」
奈央は玄関を開ける。
「ただいま。」
「2010年の目標は?」
奈央が聞く。
「お前らは子供なんでしょ?」
一志が圭輔と佳乃に言う。
「そうだね~。」
「まだ早いよ!」
佳乃は慌てる。
「だよね。まだ二人で過ごしたいよね~。新婚だし。」
「でしょ?!」
「ねー。」
「ノロケじゃん!」
「あはは!」
「一志の目標は?」
佳乃が話をそらす。
「そうだなぁ。」
「結婚でしょ?」
「いやぁ…。」
「彼女と付き合ってどのくらいなの?」
「23の時から。」
「長いねぇ。そろそろじゃん。」
「まだする気無いね。経済状態とか考えると。」
「真面目に考えてるんだ。」
「偉い偉い。」
「そういう訳じゃないけど。」
「奈央は今年も彼氏?」
「うん!頑張る!絶対作るよ!」
「進歩しないねぇ。」
「ほっといて!」
奈央は目を開ける。顔がくすぐったくて目を覚ますと、目の前に一志にの顔があった。唇に触れている。奈央が驚いて起き上がるとコタツの上のペットボトルが揺れる。
「ん…奈央?」
物音で佳乃がまどろみながら起きる。
「ごめん…夢見て…。」
「大丈夫…?」
「うん。ごめん、お休み。」
佳乃はすぐ眠りにつく。
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