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奈央は心配そうに佳乃を見る。
「正社員の試験があるの。」
「おーマジ頑張れ~。」
一志は親指を立て佳乃に向ける。丁度奈央の顔の前。
「一志の今年の目標は?」
奈央はその邪魔な親指を握って避けてから聞く。
「んー…無いな。現状維持。」
「ダメ。絶対何か目標決めて!」
佳乃が命令する。
「え~じゃぁ結婚くらいしかないかなぁ。」
「マジで?!」
奈央と佳乃は驚き、腰を上げて一志に詰め寄る。
「彼女居たっけ?」
「居た居た。」
「じゃぁその子と?!」
「いやーそれは分からないけどね~。」
一志はあやふやにして流す。
「じゃぁ俺も結婚しようかな。」
圭輔まで言う。佳乃は驚き後ずさる。奈央も驚き圭輔と佳乃を交互に見て言葉に詰まる。
「何、驚き過ぎ。座りなさい?」
一志は奈央を引っ張り座らせる。
「圭輔の彼女って?」
普通に聞いてくる一志を圭輔は不思議そうに見る。
「一志聞いてない?」
「?聞いてない。」
一志が答えると圭輔は佳乃を見る。
「奈央が知らせてると思ってた…。」
「私?!」
「あ、俺も。一志には奈央ちゃんが知らせてると思ってた。」
「えー?!」
「何?何を知らせんの?」
三人共奈央を見る。
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