雨の繁華街

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あれから数カ月。 あの雨の日に出会った人…坊さん。 坊さんは実に不思議な人で、行き先がないからと言って我が物顔で俺の家にまで付いてきて 「ふーん…、結構狭いところに住んでるんだねー うさぎ小屋みたい。」 と散々文句を言った挙句、 「まぁ、暫くお世話になるわ♪」 とまぁ、我が物顔で座り込み、そのまま住みついてしまった。 自由気ままな気高い金色の猫と言ったところだろう。 しかし、坊さんは名前と年齢(俺より背低いし幼顔なくせして年上なんだって!)と、あと昔バンドを組んでギタリストだったという事しか教えてくれなかった。あと、ケーキが大好きな甘党。 素性不明でなぜあの雨の日にあの場所にいたかなんてわからないままだったけれど、なぜか俺も気にならなかった。
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