第1章

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そして 二人の小さな物語がはじまった 次の日 僕は、いつものように、ぼんやり窓の外を眺めていると 「ユウ!」 「うわ!」 昨日友達になった健二くんが、大きな声でおどかした 「びっ…びっくりしたぁ;」 「あははは 大成功ってか」 昨日あのあと 僕たちは、いろいろ話して とても仲良くなった 健二くんは、部活のサッカーをした後 その帰り道で、飲酒運手をした 車に はねられて 足の骨を折ってしまったらしい… 結構酷かったみたいで しばらく入院することになった 「で どうしたの?急に…」 「さっきから つまんなそ~うに外を眺めているから ちょっと脅かしたくなっただけ」 「健二くん…ひどいなぁ~」 「まぁ~まぁ~でっ…さっきから何見てるの?」 「いや…ただ下の方で遊んでる子達が…きになって…」 健二くんは、僕の隣に車椅子で来ると 窓の外を覗いた 「おっ…ほんとだ~じゃ俺達も下に降りて一緒に、遊ぼうか?」 ウキウキ顔の健二くんは、僕の手を取り 部屋の外に連れ出そうとした 「!!?」 バシ! 僕は… 思わず健二くんの手を 叩いてしまった… 「何だ?あの子達と遊ぶの恥ずかしいの?」 心配そうに、僕の顔をのぞき込んだ 「あっ…いや…僕…気分が悪くて…ごめん」 「そんな謝るなよ!別に、悪いことしてるわけじゃないし…」 「うん…」 僕には、健二くんに… 言えない秘密があった… 僕は… 14年前の夏……。 3日生死をさまよったのだが 結局は、助からなかったのだ… あれからずっと…… もう何年もここに、閉じこめられたままだった 健二くんには、知られたくない… 僕は、友達ができたのは、健二くんが初めてだった…。 だから… 僕が幽霊だって知ったら……。 「ユウ?大丈夫か…先生呼ぼうか?」 「えっ…あ…ごめん…ほんとだいじょうぶ…きにしないで……」
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