7人が本棚に入れています
本棚に追加
そして
二人の小さな物語がはじまった
次の日
僕は、いつものように、ぼんやり窓の外を眺めていると
「ユウ!」
「うわ!」
昨日友達になった健二くんが、大きな声でおどかした
「びっ…びっくりしたぁ;」
「あははは 大成功ってか」
昨日あのあと
僕たちは、いろいろ話して
とても仲良くなった
健二くんは、部活のサッカーをした後
その帰り道で、飲酒運手をした
車に はねられて
足の骨を折ってしまったらしい…
結構酷かったみたいで
しばらく入院することになった
「で どうしたの?急に…」
「さっきから つまんなそ~うに外を眺めているから ちょっと脅かしたくなっただけ」
「健二くん…ひどいなぁ~」
「まぁ~まぁ~でっ…さっきから何見てるの?」
「いや…ただ下の方で遊んでる子達が…きになって…」
健二くんは、僕の隣に車椅子で来ると
窓の外を覗いた
「おっ…ほんとだ~じゃ俺達も下に降りて一緒に、遊ぼうか?」
ウキウキ顔の健二くんは、僕の手を取り
部屋の外に連れ出そうとした
「!!?」
バシ!
僕は…
思わず健二くんの手を
叩いてしまった…
「何だ?あの子達と遊ぶの恥ずかしいの?」
心配そうに、僕の顔をのぞき込んだ
「あっ…いや…僕…気分が悪くて…ごめん」
「そんな謝るなよ!別に、悪いことしてるわけじゃないし…」
「うん…」
僕には、健二くんに…
言えない秘密があった…
僕は…
14年前の夏……。
3日生死をさまよったのだが
結局は、助からなかったのだ…
あれからずっと……
もう何年もここに、閉じこめられたままだった
健二くんには、知られたくない…
僕は、友達ができたのは、健二くんが初めてだった…。
だから…
僕が幽霊だって知ったら……。
「ユウ?大丈夫か…先生呼ぼうか?」
「えっ…あ…ごめん…ほんとだいじょうぶ…きにしないで……」
最初のコメントを投稿しよう!