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前にも…
見たことがある…
14年前…
『…残念ながら息子さんの体力では、今夜が峠でしょう……』
『そんなぁ!うそでしょ…先生!』
『…お母さんの心情は、お察しします…。』
『先生!もう手が無いんですか!?』
『息子さんは、もともと体が弱い…出来る限りの手は、尽くしました…このまま熱が下がらなければ…。』
『…まだ……まだこの子は、12歳なんです!お願いします!お金は、いくらでも払います!どうか助けてください!お願いします!!』
薄れていく意識の中で見た最後の光景…
お母さんが泣きながら先生に、僕を…助けてほしいとお願いしてる姿…
「………。」
ごめんねお母さん…
ごめんねお父さん…
死んだときのことを思い出していたとき
「じゃ…次の検査は、明日も来るから」
っと言い残し
部屋を出て行った
それを見た僕は、健二くんのそばに近寄った
「おわぁ!ユウ!?びっくりしたぁ!」
「へへっ…さっき脅かした仕返しだよ」
「ちぇっ…やられたぁ…ってお前一体どこいってたんだよ!」
「あはは…ちょっとトイレに…」
「だったら一言云ってくれればいいのに…。」
「ごめんごめん悪かったってばぁ」
「それよりさぁ先生が俺の足リハビリすればなおるっとさ」
「…………よかったね!…早く直ったらまたサッカーできるようになるね。」
「おう!あっ…でもそうなったらユウと遊べなくなる…それは、やだなぁ~」
楽しそうに歩けるように、なるかもしれないと…話す健二くんに…僕は、胸が張り裂けそうなくらいつらかった…
「俺将来世界で強いサッカー選手になるんだ!あとユウが元気になったら一緒に、やろうぜサッカー」
「………ごめん…一緒に、サッカーは、できない…僕退院したら…遠くに行くの」
「遠いい所?どこ行くの?」
「君が知らない……遠いい国」
きっと僕は、この部屋から出たら…
天国に、逝くのだろうか
天国に逝ったらきっと
健二くんに会えなくなる
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