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小さな村
どこでも聞く事のある迷信
“約束が叶う神社”
誰が言い出して
誰が信じているかも分からないが、そこにはそれがあった。
すでに名前も忘れ去られてしまった神社
なのに、約束が叶うと言われていた。
廃れて大樹だけが聳える神社で、ある“おまじない”をすれば絶対に約束が叶うと──
そんな神社で、幼い二人がおまじないを交わして約束した。
無邪気に笑い、その約束は破れる事はないと心の底から信じて疑わなかった。
おまじないも、遊びでしかなかったんだ…
だけど、現実とは幼い二人の思い描いた通りには回らず、意図もたやすく引き裂かれてしまった…
「私、待ってるから…ずっと…待ってるから…」
最後に彼女を眼にしたのは、小さな村の小さな駅のホームで微笑みながら涙を流した姿だった。
──もしかしたら…
これが全ての始まりの歯車が動き出した時だったかもしれない…
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