小さな村

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そこには、今の電車以外上りも下りもなかった。 一日づつ上りと下りが交互の同じ時間だけだった。 どう言う所だよここ… 呆れたため息をついた。 ……。 取りあえずは泊まる所だな。 こんな季節に野外は死ぬからな…。 「……」 俺はゆっくりと振り返った。 視界の中には、唯一の村人らしい中学生くらいの少女。 まぁ…仕方が無い… 最近のニュースを考えると、声をかけるだけでも犯罪者呼ばわりされそうだが、このままぼーっとしている訳にもいかないしな… 俺はまた小さくため息を吐いてから少女に声をかけた。 「…ちょっと良いかな?」 「え…?わ…たし……ですか…?」 声がかけられたのが意外だったのか、少女は目を丸くしていたのに小さく笑いながら言葉を繋げた。
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