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大樹の神社
村には何か特別な物がある訳じゃなかった。
豊かな森と静かな川と和やかな空気── 一言で言えば何もない村だった。
そんな村のはずだったのに、気付けばもう日は傾いていた。
「ここ♪ここ♪最後はここに来ないと♪」
と、少女が最後と言った場所は馬鹿でかい大樹のある神社だった。
…あれ?
そこで俺は何とも言い難い不思議な感覚を感じたが、気のせいだろうと小さく首を振った。
神社に行きなれてないからだろ…
そう思うと何かこんな感じだったんじゃないかと思えてきた。
そんな所に、階段の上から「早く早く♪」と急かす少女の声が響いてきた。
「そう急かすなよ。てか、元気過ぎ…」
「お兄さん年寄り臭い」
「ぐっ…」
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