紅魔郷の10年くらい前

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「……ということなんです」 「そう。報告ご苦労様」 美鈴からの報告を受け、労いの言葉を返したのはレミリア・スカーレット。 彼女は、かつて美鈴を打ち負かした少女であり、ここ紅魔館の主であり、『悪魔』であった。 つまり、人里で語られる伝説――人ならぬ異形の者――の張本人だ。 しかし、美鈴はそれを気にした様子はない。 なぜなら、彼女もまた、――『悪魔』ではないが、――人ならぬ者だからだ。 人間は、彼女らを統括して、『妖怪』と呼んでいた。 「それで。今、門番の仕事はどうなってるのかしら」 「あ」 間抜けな声を漏らす『妖怪』美鈴。それを『妖怪』レミリアは一瞥し、 「後で、お前。お仕置きね」 冷たく一言。 「ええ!?ちょ、これは仕方ないじゃないですか!?ほら、この子をほっとく訳にも……」 必死に弁解する美鈴。 が、それもむなしく、 「理由はどうあれ、今。門番がいないという事実には変わりないわ」 「そんなぁ……」 レミリアは容赦なく切り捨て、 「それより、そいつ。見せなさい」 目を輝かせて一言。
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