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「……ということなんです」
「そう。報告ご苦労様」
美鈴からの報告を受け、労いの言葉を返したのはレミリア・スカーレット。
彼女は、かつて美鈴を打ち負かした少女であり、ここ紅魔館の主であり、『悪魔』であった。
つまり、人里で語られる伝説――人ならぬ異形の者――の張本人だ。
しかし、美鈴はそれを気にした様子はない。
なぜなら、彼女もまた、――『悪魔』ではないが、――人ならぬ者だからだ。
人間は、彼女らを統括して、『妖怪』と呼んでいた。
「それで。今、門番の仕事はどうなってるのかしら」
「あ」
間抜けな声を漏らす『妖怪』美鈴。それを『妖怪』レミリアは一瞥し、
「後で、お前。お仕置きね」
冷たく一言。
「ええ!?ちょ、これは仕方ないじゃないですか!?ほら、この子をほっとく訳にも……」
必死に弁解する美鈴。
が、それもむなしく、
「理由はどうあれ、今。門番がいないという事実には変わりないわ」
「そんなぁ……」
レミリアは容赦なく切り捨て、
「それより、そいつ。見せなさい」
目を輝かせて一言。
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