紅魔郷の10年くらい前

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一応断っておくが、美鈴が受けていた命は、折り紙講座ではない。 話は数時間前まで遡る。 「そいつ、気に入ったわ。ウチで育てましょう」 「……へ?」 思わず言葉に詰まる美鈴。 「育てる、って……この子をですか?」 「他に誰がいるのよ」 「いやまあ、そうですけど」 美鈴にはレミリアの宣言が信じられなかった。 どう見ても、件の少女は人間だ。 人間を捕食する立場の妖怪が人間を育てるというのか。 そう言うと、 「別に、それがいけないなんて決まりはないじゃない」 と返される。 「それは、まあ……」 確かにその通りではあるが……。 「とにかく、私が育てると決めたんだからそうするの。お前はしばらくそいつの教育係にでもなってなさい。その間門番は他の奴にやらせるから」 言い切って、レミリアは自室へと戻っていってしまった。美鈴としては立ち尽くすしかない。 「うーん……」 考えること数秒、 「……とりあえず、門番しなくていいならいいや」
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