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パカッ パカッ
馬は軽快に走っていく。
馬に乗るのなんて初めてだったから落ちそうになりながらも私は必死で土方さんにしがみついていた。
こんな時にこんなことを考えるのは不謹慎だと思ったが、彼の背は広くそして温かかった。
さっきまで感じていた恐怖も、不思議と消えていた。
パカッ
パカッ
馬の紐を引きながら彼は私に問い掛けた。
『なぁ。お前………
この時代のもんじゃねぇだろ?』
『…………!』
なんでわかるの?
何故………?
『何故……そう思ったんですか?』
『みればわかる。
お前はこの時代の者ではない。
いったい何処からきたんだ……?
こんな時代にきちまって。。。
』
彼の表情は見ることはできないが、何だか私のことを心配してくれている様子だった。
私はその彼の一言で、文献などで記述が残っているように土方歳三は本当に優しい男(ひと)だったんだと思った。
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