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ポケットにしまっていた携帯を取り出し、二つ折りにされたままの携帯の時刻が表情される液晶画面を見て理恵は固まった。
一気に意識が覚醒し、機能を取り戻しかけていた体が一気にフル稼働した様な感覚が理恵の全身に駆け巡った。
「嘘!。こんな時間になるまでなんで起こしてくれなかったのよ!?。」
理恵は急いで髪を解きながら世話しなく足踏みをしている。
「なに言ってんの。まだ十分間に合う時間じゃない?。」
理恵の母親は口元に手を当てて小首をかしげている。
理恵がダイニングにバタバタと入ってきて朝食の牛乳を一気に飲み干し、トーストを口にくわえて玄関へと走っていった。
「お母さん忘れたの!?。自転車壊れてるんだってば!。」
急いで靴を履き、玄関から飛び出す様に理恵は学校へと向かって走っていった。
「あらそうだったわね。でも口にトーストくわえて登校だなんてベタよねぇ。」
全く悪くぶれた様子もなく後片付けを始める理恵母。
時計の時刻は8時10分を回っていた…。
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