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新学期
ブルブルブルッ ブルブルブルッ
耳の近くで耳障りなバイブレーションに顔をしかめ、まだ眠そうに瞼がピクピクと働くのを嫌がる。
しかたがないので目を閉じたまま手で枕元まさぐり、携帯らしい固く冷たい物が手に当たった。
手慣れた様子で二つ折りにされた携帯の横のボタンを押してバイブレーションを止める。
まだ働こうとしない瞼を左手で擦り喝を入れ、何とか機能を取り戻した瞼をゆっくりと開ける。
そこにカーテンから漏れ出た太陽の光がここぞとばかりに瞼の内側へ侵入してくる。
開けかけた瞼が光を調節するために再び閉じられ、右手で瞼の上に影を作り無理矢理瞼を開ける。
布団から上半身を起こし、眩しそうに目を細めて大きく両手を天井に向けて伸ばし、大きく伸びをして体を解す。
「ん~……。今日から新学期かぁ…。」
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