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Ω
「我が愛しの妹、純白の悪魔と名高き、アンロード・H・ルミナス! 今日こそ【極悪生徒会】に入らないかーい?」
授業開始一秒、何故か校内放送ではなく拡声器を使用した生徒会長の美声が、大ボリュームで俺達の教室に響き渡った。
数秒が経過するも、未だにガラスがビリビリと振動を繰り返している中で、全員が耳を押さえて身を屈めている中で、名指しをされたその純白の悪魔だけがゆらりと立ち上がる。
純白の髪と瞳に人形のような白い肌、そしてその対極に位置する闇色のローブを纏った少女。
俺の幼なじみでもあり、世界一の魔術師とも謳われる唯一無二の存在。
な、はずなのだが……。
「……あの、クソ馬鹿がぁ……良ぃ度胸じゃない…………私の邪魔をしたらどぉなるか、たっぷりその身体に教えてあげないとねぇ……あはは、あははははは!」
今はまだ、些細なことで迷惑兄貴にぶちきれる、ちょっとだけ『悪人体質』な少女だった。
…………………………多分。
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