70人が本棚に入れています
本棚に追加
『世界に先駆け、日本国が国民オルフェノク化！』
『より良い未来の為の人類淘汰が本格的に始動』
『非オルフェノク人類の受け入れを各国首脳は口を揃えて拒否の姿勢』
吐き気がするような週刊誌記事を眺めていると、外が俄に騒がしくなった。
目の前に視線を向けると、二人の学生がいがみ合っていた。
「やんのかゴラァ！」
「うるせぇゴラァ！」
次の瞬間には、学生は化物へと姿を変えた。
そして異形の者同士の喧嘩が始まった。
街行く人々は誰一人気に留めようともしない。
彼らにしてみれば、自分達が化物という自覚は無いのだろう。
オルフェノクこそ人類。
薄ら寒い事実であるのに、国民は受け入れた。
彼らは家族にオルフェノク化出来ない者がいると、否応なしに告発した。
オルフェノク化出来ない人々がどうなったのか…
平たく言えば『島流し』だ。
オルフェノク化法案に難色を示す国へ追いやり、彼らの行き場を削る手段に出た。
風の噂では、プラムズのクルー達はオルフェノク化出来なかったらしい。だが、だからといって島流しされたという話は聞かなかった。
何処かで生きているさ…
「お兄ちゃん」
「行こう、蘭」
最初のコメントを投稿しよう！