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なんだか、手にしているだけで寒気が走る 触れているところから、何かが這い上がってくるような錯覚 「気持ち悪い…」 私は封筒を机におき、それから目を離さずにゆっくりと座った …さて、どうしよう 開けるべきだろうか だが、明らかに怪しい 黒い封筒 差出人不明 普通なら、捨てるのが当たり前だ でも 何故か、気になる 心の奥底で、好奇心が姿を見せている 中をみたい その気持ちが強くなる。 同時に膨らむ、不安と恐怖 開けたい…開けたくない しばらく思案して、私の手は封筒に伸びた もちろんそれは捨てるため… ではなく 「読むだけなら…」 読むため。 読んでみて危なそうなら捨てる それでいい。 そう思い、私は封筒の上を破いた 入っているのは、外と同じ黒の一枚の紙だ そっと触り、取り出す 封筒は机に再び置き、私は恐る恐る文字を見つめた その文字は赤い何かで描かれている乱雑なもの。 しかし、それ以上に目をひいたのは… 文字とは比べ物にならない程の艶やかさを放つ 『蜘蛛』の、絵。 ……宗教団体? バカなことを考えて頭をふり、紙に意識を戻す そしてついに、私は手紙に目をはしらせた
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