存在について考える人

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 家の中に居ても特にすることはない。そう見切りを付けると家の鍵を掛け、外へと出かけた。    一階より二階の方が大きい奇妙な家が道路脇に整然と並んでいる。  異様なまでに静かだ。この時間は誰も活動していないのだろうか。    行くあては無い。家の場所を覚え、とりあえず太陽の昇る方角へと進んだ。  頭でっかちな奇妙な家々は全部同じ形だと思われたが、よく観察するとどの家もまったく違うことに気が付いた。  だが、そんなことも無意味だと思い、どこがどう違うなど比べるのを止めた。    それから五分程歩くと前から人が来るのが見えた。
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