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司会の男がマイクを手に、騒然となった客を落ち着かせるように話し出した。
「大変申し訳ありませんでした。皆様お怪我などはありませんか?」
司会の男は言って、会場を見渡す。
幸い、怪我をしたような客はいないようだった。
それを確認すると、一つ咳ばらいをし、再び話し出した。
「え~、改めまして“紅人形”のご紹介を……………………………………!?」
司会の男は後ろを振り向き絶句した。
「“紅人形”がない!!」
やっと気付いたその事実に会場中が再び騒然としたのはいうまでもない。
「どこへいった!捜せ!!今すぐ捜し出すんだ――――――――――!!」
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