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私はしばらく、龍ヶ崎くんを見つめていた。
5分くらい経っただろうか
やっとデータの削除が終わったようだ。
私達にはそんなに思い出があったんだなと、改めて実感する。
「三谷…今日で最後だ…。お互い笑顔で別れよう。もう俺達は二度と会わない。いいな」
悲しそうな表情で、龍ヶ崎くんはそう告げた。
肯定の意味で頷く。
何故か分からないけど
私の目から涙がこぼれた。
そんな私の頭を優しく撫でると、龍ヶ崎くんは立ち上がり、[さよなら]と呟いた。
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