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「珠莉っ」
うしろから聞き覚えのある声。
かえでだ…。
「今の誰…?」
「さぁ…?わかんないけど足にコーヒーこぼされた…」
「まじでっ!?大丈夫だった?」
名前も知らない彼のことを話すと、かえでは心配して来た。
「ありがとう。でも大丈夫だよ」
「最低だね…コーヒーって汚れが落ちにくいんだよ…」
かえではまだ心配してくれて、ズボンをガン見している。
「このハンカチ…あの人に返さなきゃ…」
私はハンカチを見つめてため息をつく。
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