3:)まさかの展開

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『珠莉ー、遅刻するわよー?』 「んー…」 まだ残る眠気。 あれだけ深く眠ったのにまだ疲れが取れてないんだ…。 鳥の囀りと共に家中に響き渡る母の声。 布団の中で適当に返事を返し、怠い身体を起こす。 「目覚ましが鳴らなか…た」 昨日、目覚ましを止めたまま眠ってしまったため、掛け忘れたようだ。 『姉ちゃん。いつまで寝てんの?珍しい』 ドアから弟の薫(かおる)が顔を覗かせた。 「薫ぅ…勝手に入ってくんなしぃ…」 まだ眠たそうな私を前に薫は呆れているようだ。 『んな事言ったって…もう8時だし』 「はぁああ!?」 薫の言葉で一気に眠気が吹っ飛んだ。 どうりで制服を着ている訳だ。 「ちょっとー!なんでもっと早く起こしてくれないの!?」 ベッドから飛び起き、 制服に素早く着替え、 一階への階段を駆け降りる。 『起こしたわ!姉ちゃんが起きなかっただけだろー!』 洗面所に駆け込み、顔を洗い歯を磨き、 髪を少し梳いた。 「お母さん、弁当は!?」 『机の上よ』 「行ってきまーす!!」 『無視すなぁぁあ!!!!』 『薫、あんたもそろそろ出る時間でしょ?』 薫は泣きそうな表情をしていた。 朝からテンション高い奴。 私は急いでMy自転車へと走る。  
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