3903人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はパトカーに乗っている間、そわそわしていた。
幸紀にも「落ち着いて」と言われたが、落ち着ける訳がなかった。
早く俺は唯に会いたいんだ!!
そんな時に、落ち着ける訳がないだろ。
俺は一人でそう考えた。
目的地の湍水町に着いた。
駐車場にパトカーを止め、純達はパトカーから出る。
純達は湍水町の地に、足を踏んだ。
「よし!頑張って探すぞ!!」
純が張り切ってそう言った。
「ちょっと待て」
澤井さんが純を止めるように言った。
「なんですか?」
純は止められて、少し不愉快を思わせるような口調で言った。
「勝手に動くのは良くない。どうせならきちんと場所や時間などを決めて行動すべきだ」
「なるほど!」
幸紀が澤井さんの言っていることが分かったと、得意気な表情を見せた。
「三人が別々の地域に行き、情報収集をする。さらに時間をある程度決めとき、その時間に一つの所に集まるという訳ですね?」
純に分かるように幸紀は説明をした。
澤井さんは、本日二回目の「ご名答」を言った。
「なるほどな」
純が納得したように頷きながら言った。
「まずは、場所を決めよう」
そう言うと、澤井さんは内ポケットから地図を取り出した。
澤井さんは、その地図に印を付けていく。
その作業が終わって直ぐ、澤井さんが口を開いた。
「この三つのエリアに分かれてもらう。二人には迷わぬよう地図を渡すんだが、その前に自分のエリアを決めてほしい」
澤井さんがそう説明すると幸紀が地図に指を差した。
最初のコメントを投稿しよう!