真実

4/12
前へ
/95ページ
次へ
俺はパトカーに乗っている間、そわそわしていた。 幸紀にも「落ち着いて」と言われたが、落ち着ける訳がなかった。 早く俺は唯に会いたいんだ!! そんな時に、落ち着ける訳がないだろ。 俺は一人でそう考えた。 目的地の湍水町に着いた。 駐車場にパトカーを止め、純達はパトカーから出る。 純達は湍水町の地に、足を踏んだ。 「よし!頑張って探すぞ!!」 純が張り切ってそう言った。 「ちょっと待て」 澤井さんが純を止めるように言った。 「なんですか?」 純は止められて、少し不愉快を思わせるような口調で言った。 「勝手に動くのは良くない。どうせならきちんと場所や時間などを決めて行動すべきだ」 「なるほど!」 幸紀が澤井さんの言っていることが分かったと、得意気な表情を見せた。 「三人が別々の地域に行き、情報収集をする。さらに時間をある程度決めとき、その時間に一つの所に集まるという訳ですね?」 純に分かるように幸紀は説明をした。 澤井さんは、本日二回目の「ご名答」を言った。 「なるほどな」 純が納得したように頷きながら言った。 「まずは、場所を決めよう」 そう言うと、澤井さんは内ポケットから地図を取り出した。 澤井さんは、その地図に印を付けていく。 その作業が終わって直ぐ、澤井さんが口を開いた。 「この三つのエリアに分かれてもらう。二人には迷わぬよう地図を渡すんだが、その前に自分のエリアを決めてほしい」 澤井さんがそう説明すると幸紀が地図に指を差した。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3903人が本棚に入れています
本棚に追加