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「そんな事を言うなよ。きちんと鍵を開けて入ったよ」
「俺、合鍵渡してましたっけ?」
「いや、もらってない」
「ならどうやって入ったんですか!」
さらっととんでもない発言をするリオンに対して、ファイは疑問の言葉を口にする。
「魔法で解錠して普通に入った」
「やめて下さいよ……一々魔術結界を破ったりしてまで入ってくるのは……」
「気にするな。きちんと元に戻しておいたから」
「そういう問題じゃありませんよ……」
溜息を吐いて諦めたようにそう言うファイ。
もうこの癖は治る事は無いだろう。
「で、なんでわざわざこんな所にいるんです?」
首を横に何度か振ってから、本題に入る。
リオンから帰ってきた回答は至極単純な回答だ。
「試験勉強をしにきた」
それだけだった。
「いや、やるんだったら一人でも出来るでしょう」
「そこは気にするな。そんな事よりも、俺はカレナと一緒にいる事の方が気になるのだがな」
リオンも負けじと、ファイの背後にいるカレナを見てからにやけた表情で問い尋ねる。
ファイとしても、なぜこうなったのかは理解出来ない。
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